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2010年最初のファンドレポートが届きました。ポートフォリオは選択と集中が進み、銘柄は159銘柄まで絞り込まれています。またポートフォリオ上位30銘柄で組入比率が50%を大きく超えており、組入銘柄の中でもメリハリを効かせた資産配分を行っているようです。上位組入銘柄の中には既に買付コストを上回っている銘柄もあり、今後の展開が楽しみです。
最新のレポートによると、またまた組入トップが替わっていました。今回の組入トップは、三洋電機を買収し、リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池と次世代を担う電池のすべてを握る総合家電メーカーです。リチウムイオン電池でジーエスユアサが注目される中、赤字計上もあってかこちらは全くと言っていいほど手つかずで、不思議な感じもしていました。思い切った組入れ増加は、短期的な人気に左右されない長期投資型ファンドの面目躍如といったところでしょうか。電池だけでなく、電化製品でも中国など新興国への進出を進めているようで、今は赤字を計上していますが先行きは楽しみな企業だと思います。
次のレポートが届くまで、今度はどんな企業へファンド資産が向かうのか予想してみるのも楽しいです。株価が下がって停滞しているけれど、これからどんどん伸びていきそうな企業。イメージができれば、予想は意外と簡単かもしれません。難しいことをやったら投資は儲からない、とは澤上さんの言葉でもあります。
2009年12月13日付日経新聞15面の投資入門に、直近過去10年間でみた基準価格騰落率の比較が出ていました。金融危機を挟んでの成績はどうだったのでしょうか。(成績は2009年11月末時点)
順位 ファンド名 騰落率(%)
1 低位株オープン(日興) 67.09
2 日本低位株F(野村) 63.79
3 フィデリティ・セレクトファンド(市況関連) 56.59
4 レインボーF(市況産業F)(野村) 27.13
5 ハイブリッド・セレクション(DIAM) 22.18
6 さわかみファンド 19.80
7 レインボーF(地球環境F)(野村) 14.84
8 アクティブバリューオープン(T&D) 12.86
9 ポジタ・システム・オープン(国際) 10.12
10 インベスコ店頭・成長株オープン 9.61
この記事のテーマは、ファンドの人気と成績は必ずしも一致しないというものでした。ここでは人気(純資産増加額)のランクは取り上げませんが、さわかみファンドはファンド仲間の継続的な購入もあって、人気は1位だったようです。
以前に取り上げた総合成績の比較で上位ランクインしていたファンドで、今回も残っているのはアクティブバリューオープン(愛称アクシア)とさわかみファンドだけのようです。継続して高い成績を出すことは難しいことなのでしょう。
今回上位を飾った低位株ファンドは、東証1部上場企業を値嵩株、中位株、低位株に分類した上で、低位株の分類に属する企業へ投資を行うファンドだそうです。値嵩株(ねがさかぶ)というのは、1株の株価が高い株式のことです。ソニーやキヤノンといった日本を代表するハイテク企業の株式は、ハイテク値嵩株などと呼ばれ、日経平均株価の値動きに対する寄与度も大きいようです。この他、絶好調のユニクロを展開するファーストリテイリングなども値嵩株の代表といっていいのでしょう。
低位株ファンドは、こういった華々しい企業ではなく、株式市場の中でも比較的地味で1株株価が安い株式への投資を中心に行っていくもののようです。モーニングスターで調べてみたところ、日興の低位株ファンドの上位組入銘柄は、東京鐵鋼、コジマ、東京建物、日亜鋼業、日本無線となっています。野村の日本低位株ファンドの上位組入銘柄は、エプソントヨコム、丸善、ライト工業、日本無線、マツダとなっています。組入比率は上位で1%前後ですから、株価が1000円未満の株式へ数多く分散投資しているのでしょう。
実際の運用手法がどのようなものであったのかは分かりませんので推測でしかありませんが、低位株は市場の注目も集まりにくく、比較的安値に放置されているため、金融危機による暴落の影響も最小限に抑えることができ、かつ、運用でもきちんと安値で組入れを行っていけたということでしょうか。今後の成績の動向がどうなるのか、興味をひかれます。
気になるさわかみファンドの成績ですが、激しく落ち込んだ景気敏感株を大量に仕込んでいますので、景気回復局面でよくなってくるのではないかと思います。過去の成績や人気でファンドを選ぶと、高値で購入してしまいがちです。ファンドは基本的に長期投資を目的としていますので、きちんと長期間つきあっていけるファンドなのかが最も重要ではないかと思います。運用成績は大事ですが、それよりも株価が落ち込んだ時に自分の大切なお金を託せるかどうかの方が重要です。なぜなら、基準価格が落ち込んで安くなった時に買えなかったり逃げだしたりしてしまうのでは、せっかくのチャンスを台無しにしてしまうからです。投資信託の信託とは、文字通り「信じて託す」ものだと思います。
月中月末になるとやってくるファンドレポートを読むのが、さわかみファンドを保有する1つの楽しみです。金融危機が始まって四苦八苦しながらも、ポートフォリオを大胆に組み替える様子が分かり、不安と期待を抱きつつ見守っています。今回、11月30日のレポートからは、海運の商船三井に加えて空運の全日空にも大きく資産を傾けた様子が分かりました。買う時にはチマチマしたことはせず大胆に買っているようです。短期間で保有株式数が一気に膨らみますから、買ってくれているなというのがすぐに分かります。
ところで空運といえば、昔は日本航空も保有していたみたいですが、とうの昔、株価が300円台の頃に売っていたみたいです。現在の日本航空の惨状を見ると、この売りの判断は正確であったと思います。株価が下がった今も買う気配はないですから、縁切りということなのでしょう。金融危機の最中に手放した企業の中には、株価の戻りも早く大きいものも見受けられ、この判断はどうだったのかなと思うものもありますが、全体的に見て運用状況には納得しています。
他にも、リコー、カシオ計算機、パナソニック、TOTOといった企業は、大きく買い増しされていると思われ、気になるところです。
ポートフォリオの組み替えが進んでいます。金融危機前と比べて、組入銘柄数は半分近く減りました。次の上昇相場に向けて自信のある企業に集中しているのでしょう。最近では、商船三井に大きな額を振り向けていました。組入比率ではトップになっています。現在、さわかみファンドが最も自信のある企業なのでしょう。海運業は景気が良くなって物流が活発になると、業績も伸びて株価も上昇します。現在は不景気ですから、当然業績も株価も低迷しています。今後経済力を増すであろう資源国や新興国と関連の深い事業だと思います。今のうちにたくさん買って応援しようということでしょう。逆に、医療費抑制を掲げる民主党関連銘柄と言われる後発医薬品の沢井製薬は売っていました。人気が出ている企業は株価も高く応援の必要もないので、とりあえずお譲りしておこうといったところでしょうか。人気のあるところから人気のないところへ。値幅を抜こうという目先の欲を捨てれば、投資はどんどん簡単で気楽なものになっていくようです。

